自然の中で過ごす素晴らしさを伝えることがこの仕事の醍醐味――スクール・ガイド 金子治仁さん

2023.10.30 16:10

意外と知らないスキーリゾートでのお仕事を紹介すべく、グランデコで働く人たちへのインタビューを全7回にわたってお届け。第3回目は、冬は「SIA公認 グランデコスノーアカデミー」校長を務め、夏はグランデコのアクティビティガイドとしてお仕事をされている金子治仁(かねこ はるひと)さんにインタビューをしました。

グランデコができた当初からお仕事をされていて、裏磐梯の自然や文化を知り尽くしている金子さん。豊富な知識や経験をもとにしたレッスン&ガイドが人気の金子さんにお話を伺い、スキースクール指導者、そしてアクティビティガイドというお仕事について深堀りしていきます。

家族で楽しむ趣味だったスキーと
山岳ガイドの経験をいかして

――はじめに、金子さんの経歴について教えてください。
金子 出身は東京都の西麻布です。父親がスキー好きだったので、幼稚園のころから家族でスキー場に行っていました。僕の子供時代というと60年近く前になりますが、子供用のスキーなんてなかった当時、父親が東京中を探して子供用スキーを見つけてきてくれたことが印象に残っています。そうやって過ごしているうちに、いつの間にかスキーが好きになりました。

当初、スキーは家族で楽しむ趣味でしたが、高校3年のときに初めてスキー学校に教わりに行って、2回目のレッスンを受けたときに「教えてみない?」と声をかけてもらって。毎日スキーができるなら、と承諾し、インストラクターとして冬の間はずっとスキー場で過ごすようになりました。

――グランデコに来たきっかけは何だったんですか?
金子 インストラクターになって各地のいろいろなスキー場で仕事をしていましたが、グランデコがオープンするときに知人が声をかけてくれたことがきっかけで、約30年前にここへ来ました。

グランデコに来た当初はスクール以外の仕事もしていましたが、大学時代に山岳ガイドをやっていた経験を買ってくれて、冬はスクール、夏はガイドという働き方が定着したんです。

そして、今年から新生グランデコとしてアクティビティをよりいっそう充実させることになったので、今まで以上にいろいろな仕事に携われています。自分の経験を新しくなったグランデコでも活かせているので、よかったですね。

グランデコのアクティビティは、金子さんが所属するアクティビティチームが中心となって実施。チームには裏磐梯の自然を知り尽くしたスペシャリストがそろっている

――そうだったんですね!では、冬のお仕事について教えてください。スキースクールでの1日のスケジュールって、どんな感じなんですか?
金子 最近はゲレンデに出て直接教えることも少なくなってきて、普段はレッスンの予約管理とか、ご予約いただいた生徒さんのレベルに合わせて担当講師を割り当てるといった業務がメインです。

――ちなみに金子さんがスキースクールでのお仕事で、大切だと思うことは?
金子 お客さんを上達させることはもちろんですが、その過程のなかで、グランデコの自然も楽しんでいただいたり、家族の思い出を作る手助けをしたりすることが何よりも大切だと思っています。そして最終的には「この先生とまた一緒に滑りたい」と思ってもらえるサービスを目指したいですね。

たとえば、常連さんのなかにも、すでにかなり上手な方はたくさんいます。それでも「〇〇先生と一緒に滑りたい」と言って、毎年来てくれるんです。

そう言ってもらえることが、インストラクターの意義なのかなと思います。実際、そう言ってもらえる技術と人柄をそなえたスタッフがここには揃っているので、何十年もずっと通ってくれるお客さまもたくさんいるんです。

金子さんが校長を務めるのは、開校31年目を迎えるスキー・スノーボードスクール。スキー場に隣接するホテルで開校しており、宿泊者には特典が満載

自然を遊び、ホテルで癒され
食を楽しむ手助けができる喜び

――では、これまでグランデコでお仕事をしてきて、特に印象に残っていることがあれば教えてください。
金子 たくさんありますが…ここ最近でいえば、昔レッスンをした生徒さんが大人になって、自分のお子さんを連れてきてくれる機会が増えたことです。

僕が教えていた頃に小学生だった生徒さんが、そこから20年ほど経って自分のお子さんをレッスンに入れてくれたことがあって。時の流れの速さにびっくりしましたし、親子で来てくれたことに嬉しさも感じました。

――素敵ですね!ありがとうございます。では現在、冬はスクール、夏はガイドとして通年でお仕事をされていますが、こういったお仕事の醍醐味はどういうところにあると思いますか?
金子 いま(取材時)、足をケガしているのですが…こうなって初めて、歩いたり、普通に動いたりできる身体を維持できることへのありがたみを感じていて。夏に山を歩いて、冬はスノーアクティビティをする。それがどれだけ素晴らしいことかを伝えられることが、醍醐味じゃないかなと思います。

グランデコに来て自然を遊んで、ホテルでゆっくり過ごして癒されて、おいしい食事が楽しめる。僕の仕事はそういった、お客さまにとって非日常の体験を手助けできるところが良さですよね。

夏~秋に実施している「朝さんぽ」は、金子さんをはじめとするガイドが裏磐梯の自然や周辺の山々について紹介しながら、ホテル周辺を散策するアクティビティ。参加者からも好評だ

――そのなかでも、金子さんが思うスノーアクティビティの魅力は?
金子 ゲレンデを気持ちよく滑ることはもちろんですが、何よりもこの広大な雪山の中にいることや、例えば山頂付近の樹氷など、夏には味わえない景色を満喫できることだと思います。ここは磐梯山も見えますし、条件が良ければ那須まで見える。そういった景色や、豊かな自然を体感できるのが魅力です。

――ところで、樹氷とは何ですか?
金子 グランデコでいうと、山頂付近にある“シラビソ”という木に雪が吹き付けられてできたものが樹氷です。樹氷が有名なスポットは東北にいくつかありますが、ここグランデコは樹氷が見られる南限だと言われています。

樹氷ができやすい時期は1月下旬~2月上旬。そして樹氷ができる条件はシラビソの木があって、風が吹いて、雪が大量に降るという限定的なものですので、これらを満たす恵まれた環境も、グランデコのいいところだと思います。

――なるほど!見てみたくなりました。では最後に、新生グランデコとしての最初の冬が間もなく始まりますが、今年はどんなシーズンにしたいかを教えてください。
金子 近頃、約30年グランデコで培ってきたことをちゃんと後進に伝えて、残していかなければいけないと考えるようになりました。

私はこれから先、10年後もここで仕事をしているか微妙な年齢になってきましたので、グランデコの良さを次の世代に伝えて、よりよいリゾートに進化していくための手助けをしたいなと。そういったことを、この冬から少しずつ始めていきたいと思っていますね。

――金子さん、ありがとうございました!

オフィシャルホテル
「EN RESORT Grandeco Hotel」

リゾート内に併設されているオフィシャルホテル「EN RESORT Grandeco Hotel」に宿泊すると、駐車場が全日無料になることをはじめ、スキー場利用時のメリットがたくさん!温泉もあるからゲレンデでたくさん遊んだあともゆっくりと身体を休めていただけます。

  • ゲレンデインアウトが快適

    ゲレンデインアウトができるのは最大のメリット!さらにロッカー、更衣室、温泉も、チェックイン前・チェックアウト後も無料でご利用いただけます。なお、チェックインは午前7時から可能。
  • ホテル宿泊者だけの雪を楽しむアクティビティ

    ホテルのウェルカムテラスでは、ホテル宿泊者限定の雪を楽しむアクティビティとして、焚火&マシュマロ体験やスノースウィング(ブランコ)をご用意しています。
  • ゴンドラ優先乗車

    ゲレンデ混雑日は、ホテル宿泊者様はゴンドラの優先乗車が可能になります。長蛇の列に並ばずにご乗車頂けます。

EN RESORT Grandecoへのアクセス

〒969-2701
福島県耶麻郡北塩原村桧原荒砂沢山1082

お車でお越しの方
磐越自動車道
猪苗代磐梯高原ICより車で約30分
電車でお越しの方
JR猪苗代駅から無料シャトルバスあり